出典:国土地理院
自分自身が住んでいる町のことをよく知らない。この現象は、どんなにご立派な観光地であっても起こっています。 例え国宝や重要文化財が近所にあっても、そこに在る事が当たり前で気にした事がない。 逆に、この町には何もないという先入観のほうが先行し、「何もない」と思い込んでいる。 少し興味を持って、オープンワールドのゲーム感覚で、近所をクエスト(お散歩)してみると、意外と知らなかった事に気づくものです。
それが、「おさんぽのすゝめ」であります。
住んでいる町を知ることで、日々の生活も楽しくなります。新しいお店やお気に入りの風景を見つけながら、少しずつ行動範囲を広げていきましょう。
普段は気にもせず通り過ぎていたモノにも、知れば意外な歴史や文化があるかもしれません。
旅行先でも今までとは違った景色が目に飛び込んで来るはずです。「これは近所にあったアレと同じかも!」「これは初めて見た!」などなど・・・
日本には太古の時代から人が住み、それぞれに文化がありました。それがその土地の風土となり、現在まで密やかに続いています。 猛烈な勢いで過ぎ去るデジタルな情報の中で、気付きにくくなっている「郷土」というローカルな情報。 ローカルな故に、流行り廃りに関係なく、自分のペースで楽しむ事ができます。さぁ、おさんぽに出かけましょう!
郷土の情報というものは、消えそうでも消えない。それは、その時代時代に於いて、その時代に即した方法で情報を残しているからです。
古代日本には文字という文化はありませんでした。太古の物語は口頭伝承により受け継がれてきました。
奈良時代になると大陸より漢字が輸入され、文字による記録が始まりました。それによって編纂されたのが、古事記、日本書紀などであります。
古事記は口頭伝承の文字起こしという形式になりますが、日本書紀を編纂するにあたっては各地より書が送られました。
各地に残る「風土記」と呼ばれる書物が書かれたのも、この時期になります。
その後も、古い書物を遺すため書写された書物やその時代の研究の成果などが、各地に残っています。さらに、現存し貴重なモノは図書館や博物館等で保管・展示されています。
令和という時代は、デジタル社会の時代になりました。 デジタルというカタチが後世まで、それこそ八十続ききまで遺るのかというと正直微妙です。 やはり遺すなら、石板か紙だとは思いますが、 「伝える」という目的であればWEB形式というデジタルは有効です。何処でも誰でもWEB情報を見られる時代になりました。 そこに、郷土のローカルな情報を載せる事は、次の世代への情報の引き継ぎとして役に立つことでしょう。
更にそこにVRという360度情報も加える事で、令和の郷土の雰囲気そのものも伝える事が可能になります。 寺社の建造物や石碑などは、よっぽどな事件事故にでも遭わない限り、おそらくは変わる事はないでしょう。 それらは、我々の高々数十年という寿命のタイムスケールを超えて現存しているモノがほとんどだからです。 しかしながら、我々の日常生活に関わるモノは、10年20年で変わってゆきます。 VRの最大のメリットを生かし、変わらざるモノと変わりゆくモノを同時に記録しWEBに載せ、 願わくは、数十年後に「うわぁ、懐かしい」と言いながら、ぐるぐる見回せる世の中と環境が残っていることを祈り申し上げます。
郷土とはその地域の資産であり資源であります。正しく興し、有効に活用できれば、唯一無二の文化と成り得ます。 郷土文化や土着信仰に関する知見と共に、VRに関わる映像制作とWEBコンテンツ制作のノウハウを以て、現在、私は、とある自治体から委託を受け、地域おこし協力隊を主として活動しております。
「VR元年」と言われ出した黎明期よりも更に前から、弊社(というよりも私自身)は「VR映像制作」に関わってきました。
当初は国内外にビジネスパートナーが多くあり、企業による配信プラットフォームサービスも盛んで、ビジネス機運を探る動きが活発でした。
2019年には、中国で行われたVRカンファレンスにVIP待遇で招待され、基調講演をさせていただく機会も得る事ができました。
しかしながら、VRはビジネスとしてのマネタイズが極めて厳しい事には変わりなく、プラットフォームは縮小し、ビジネスパートナーも徐々に消失し、
人々のVR(メタバースを含む)に対する関心も低くなる一方であります。正直なところ、私自身もVRコンテンツやメタバースには、大して関心はありません。
VRを老若男女に至るまで認知を深め、今のスマートフォンのように日常的に使用を促すことはまず不可能でしょう。 それは、空間認知力の個人差や視力(弱視や老眼)など、認知的かつ生理的な問題が関わるからです。 VRに興味を示すのは、若い世代の男性がほとんどかと思われます。それはアダルトコンテンツを主力とした欲求による消費ですが、それも一過的です。 なにしろ、VRコンテンツ制作には工数や機材費用がかかります。通常の映像コンテンツ制作と比較すると、かなり手間がかかります。 制作側としては費用対効果、工数対利益が薄く、持続的に制作を続けるモチベーションには繋がりません。 更にはVRコンテンツへの関心消費も薄くなる一方であり、極めてジリ貧です。
断言しても良いでしょう。VRをはじめとするARやメタバース、何とかxRとか、諸々のああいった類の仮想空間が、 我々の世代寿命の範囲内で広く認知され普及する可能性は「皆無」でしょう。 また、高度な制作や編集には、猛烈に電気を喰うCPUやグラボが欠かせません。 昨今の電気代高騰や物価高を鑑みて、やるほどの価値があるのかと問われると、総じて「微妙」と言わざるを得ません。
コンテンツとしてではなく「記録用途」として活用する事が、ひとつの有効策なのではないと考えています。
VRは360度画像(あるいは映像)とも言われ、上下左右360度の全ての空間を記録できる事が、通常のカメラとの大きな違いです。
ですので、記録をしたいと思っているメインターゲットの他に、そのターゲットが置かれている周囲の状況や環境も同時に記録する事ができます。
エンタメコンテンツというよりは、「学術」向きなのかもしれません。
「学術用途」となると、またそれはそれでマネタイズは現実的ではなく、何らかの予算に乗って活動するしかなく、これはこれで狭き門かと思われます。
「VRとは家に引き篭もって悶々と見るコンテンツではなく、実際に外に出ることを促すコンテンツである」という事が、
起業以来のVRに対する弊社(というよりも私)の考えであります。
山や海に出掛けたら、その場所でしか体験できない事があるように、
それらの体験の一部としてVRを組み入れる事ができれば、ビジネスとして最も健全化が図れるのではないかと思っております。
例えば、道の駅に行けば、その町で行われている花火大会や祭りの様子がいつでも見られる。あるいは、春夏秋冬の映像が見られる、などなど・・・。
これであれば、一過性の興味本位であっても一向に問題はなく、間接的にでも観光やローカルな商売に貢献できると考えています。
但し、そのVR単体での営利営業は無理だと思います。
ご興味のある方は、是非、ご連絡を下さい。お待ち申し上げます。